驚異の部屋

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ひすとり!×驚異の部屋

ひすとり!とは、主にTwitter上で展開されている、歴史×エンタテイメントを意識したゆるやかなつながりの名称です。
参加者は東西を問わず史学の研究者から歴史を楽しむ一般の方まで様々。主催者がいるわけではなく、固定のメンバーが明確にいるわけでもない自由な空気の元に、突発的に歴史に関するあれこれのつぶやきがTwitterのTL上に発生します。
そんなひすとり!に関わる方々に自分の研究分野や興味対象をモノで表していただきsdtが絵にし、この驚異の部屋に展示しました。
「驚異の部屋」とは、大航海時代以降のヨーロッパにおいて、珍奇なものをジャンルを隔てず集め陳列する部屋のこと。王侯貴族から聖職者・学者などの手によって作られた「驚異の部屋」は、現在の博物館や美術館の原型でもあります。
この部屋に並べられたひとつひとつに、様々な背景があります。
どうぞごゆっくり、まだ見ぬ過去の世界へと、お進み下さい。

キャプション

原始的な弓 キメラ犬 19世紀半ばの女性をモチーフにした人形と小道具

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原始的な弓

人間の最も優れた発明品は弓であるという話を聞いた事があり、大変に興味を持った ので人工物の頂点に描いて頂きました。
古くから現代まで残っているものは、間違いなく良品であると信じています。

19世紀半ばの女性をモチーフにした人形と小道具

その時代に流行ったファッションが持つ意味、そのスタイルに込められた主張と、時代背景との関連を調べています。今回は産業革命後のファッションと小道具を使って、ブルジョアが実権を握り始めた時代を表現してもらいました。
近年のスタイルはあまりにも混沌としていて面白みを感じないのですが、20世紀前半以前は時代背景と絡んでいるスタイルが多いので、大変に興味深いです。'60〜'70年代になると、各スタイルの主張がはっきりしていてこれもまた面白いですね。

キメラ犬

犬を飼っていたり、闘牛が好きで闘牛を研究していたりするのですが、これらの事から普段感じている世の中の「ゆがみ」を、キメラ犬という形で表現してもらいました。
闘牛はよく「動物虐待」「古臭い野蛮な文化」等と揶揄されます。しかしスペインではこの文化があったからこそ、徹底して自然に近い環境で牛を飼育してきたのであり、 それゆえBSEの発症率が極端に低かったという事実は、あまり知られていないことと思います。一方、愛犬家やブリーダーの一部が、外見から得られる美感を求めて意図的に犬の近親交配を繰り返しており、結果として生命を脅かす重大な欠陥を持った犬が沢山生まれています。
なんともおかしな話ですが、これらは時代が進む事によって世の中に生じた、何らかのゆがみなのでしょうね。そういった一見見逃してしまうような裏の部分にとても興味があります。