驚異の部屋

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ひすとり!×驚異の部屋

ひすとり!とは、主にTwitter上で展開されている、歴史×エンタテイメントを意識したゆるやかなつながりの名称です。
参加者は東西を問わず史学の研究者から歴史を楽しむ一般の方まで様々。主催者がいるわけではなく、固定のメンバーが明確にいるわけでもない自由な空気の元に、突発的に歴史に関するあれこれのつぶやきがTwitterのTL上に発生します。
そんなひすとり!に関わる方々に自分の研究分野や興味対象をモノで表していただきsdtが絵にし、この驚異の部屋に展示しました。
「驚異の部屋」とは、大航海時代以降のヨーロッパにおいて、珍奇なものをジャンルを隔てず集め陳列する部屋のこと。王侯貴族から聖職者・学者などの手によって作られた「驚異の部屋」は、現在の博物館や美術館の原型でもあります。
この部屋に並べられたひとつひとつに、様々な背景があります。
どうぞごゆっくり、まだ見ぬ過去の世界へと、お進み下さい。

キャプション

セノグラフィ版画

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セノグラフィ版画

セノグラフィとは、主に舞台などの空間演出を指します。
西洋の舞台美術は伝統的に線遠近法と密接な関係があり、特にバレエは群舞のフォーメーションや、ダンサーの体の使い方や動きの形にまでその影響が強く見られます。1994年、英国ロイヤルバレエ団は『眠りの森の美女』で遠近法を意図的にぐにゃりと崩した独創的な舞台セットを使ったプロダクションを発表し、好評を博しましたが、一部の専門家からはその遠近法の使い方に対する強い批判が出たものです。

当方、古今東西の舞踊好き、美術史好きで、上記のような芸能史や舞台芸術における空間把握に興味を持っている一介の趣味人です。『驚異の部屋』企画では、この興味を端的に視覚で表すことができるものとして、17世紀の舞台セットの版画をリクエストしました。

これと対照的なのが日本の能で、観る側の視点を一点に固定せず、背景には常に老松が描かれ、夢の中の出来事のように舞台上の距離感が曖昧に変容します。東西それぞれの特徴を生んだ価値観や思考法、歴史っていったい……?というところに興味があるのですが、そこは素人、実はピシッパシッと教えてくれる方モトム、状態です。