驚異の部屋

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ひすとり!×驚異の部屋

ひすとり!とは、主にTwitter上で展開されている、歴史×エンタテイメントを意識したゆるやかなつながりの名称です。
参加者は東西を問わず史学の研究者から歴史を楽しむ一般の方まで様々。主催者がいるわけではなく、固定のメンバーが明確にいるわけでもない自由な空気の元に、突発的に歴史に関するあれこれのつぶやきがTwitterのTL上に発生します。
そんなひすとり!に関わる方々に自分の研究分野や興味対象をモノで表していただきsdtが絵にし、この驚異の部屋に展示しました。
「驚異の部屋」とは、大航海時代以降のヨーロッパにおいて、珍奇なものをジャンルを隔てず集め陳列する部屋のこと。王侯貴族から聖職者・学者などの手によって作られた「驚異の部屋」は、現在の博物館や美術館の原型でもあります。
この部屋に並べられたひとつひとつに、様々な背景があります。
どうぞごゆっくり、まだ見ぬ過去の世界へと、お進み下さい。

キャプション

ロレンスの短剣 ヴァイキング舟 帆船

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ロレンスのためにつくられたアラブの短剣

映画「アラビアのロレンス」で有名な『T.E.ロレンス』というイギリス人は、波瀾万丈の人生を送った非常に面白い人物です。
映画では失意のうちに消え去っていくように見えるロレンスですが、実は砂漠を去ってからもまだまだアラブのために行動しています。機械好きの一面もあり、英国空軍において水上飛行機救助艇の設計にたずさわりもしました。さらに、青年時代から「美しい本をつくりたい」という夢を持っていた彼は代表作「知恵の七柱」を執筆したり、「オデュッセウス」の翻訳もしたりと、『行動するロマンチスト』であり続けました。
映画はかなり脚色されてはいますが、決してロレンスの本質を損ねていないと思います。情熱、才能、カリスマ性、そして謎めいた内面。映画でロレンスを好きになったのなら、是非、もう一歩奥へどうぞ。決して損はいたしません。

ヴァイキング船

ヴァイキングは犯罪者の集団ではなく、ヨーロッパ世界を構成する北方民族でした。 片手に商売のための秤(はかり)を、もう片方の手に襲撃のための剣を持ち、富を得るための航海に出ることが生活の一部だったのです。
たいていは収穫物を持って帰路につきましたが、行った先で永住することもありました。新しい知識や技術を取り入れるのも得意で、活力にあふれた人々だったのだろうと思われます。
ヴァイキングを知ることは当時のヨーロッパを知ることになり、非常に興味深いです。

帆船

帆船は、優雅で美しいのはもちろんですが、何よりそこに注がれた技術と労力に圧倒させられます。特に帆走させる時の力強さは人間の歴史を動かしたエネルギーそのもの。
エンジンを積んだ船の力強さも素晴らしいのですが(映画「タイタニック」がわかりやすい)、普段は我々の目に触れませんので、帆船が一番わかりやすいわけです。
「船」を追っていると、結果的に歴史全体を扱うことになり、広く楽しめます。